「ヴィトンのブルガリ買収」についてのページです。
仏高級ブランドグループのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは7日、伊宝飾品ブランド大手のブルガリを買収することで合意したと発表した。買収総額は最大37億ユーロに上る見込み。新興市場における高級品需要の盛り上がりに対応する狙いがある。
取り決めによると、LVMHは1,650万株の新株を発行し、ブルガリの創業者一族が保有する50.4%のブリガリ株と交換する。これにより、ブルガリはLVMHの株式3%を握ることになり、機関投資家以外ではベルナール・アルノー最高経営責任者(CEO)に次ぐ第2位の株主に収まることになる。
LVMHは株式公開買い付け(TOB)を通じ、ブルガリの残り株を1株当たり12.25ユーロで取得する方針。これは前月の平均株価に59.4%のプレミアムを上乗せした水準だ。
一方、ブルガリの会長職と副会長職にはパオロ・ブルガリ氏、ニコラ・ブルガリ氏がそれぞれ留任。ブルガリはLVMHの取締役会で2人の役員を指名でき、フランチェスコ・トラーパニ最高経営責任者(CEO)はLVMHの執行委員会のメンバーとなる。
ブルガリは今回の取引により、LVMHの世界的な販売網にアクセスできるほか、コスト分担による利益率の向上が見込めるという。また、時計・宝飾品市場をリードするスイスの高級ブランドグループ、リシュモンとのシェア格差も縮まるとみられている。
LVMHは仏クリスチャン・ディオールが42%出資する世界最大の高級ブランドグループで、時計・宝飾品部門ではスイスのタグ・ホイヤー、南アフリカのダイヤモンド大手デビアスなどを傘下に抱える。アルノーCEOの下、買収による拡大戦略を推進しており、昨年には仏競合エルメス・インターナショナルへの出資比率を20.21%に引き上げた。
【Yahoo!ニュースより】